のりこうのくうねるあそぶー

白石加代子の源氏物語【若菜上下】

sawanonn2009-09-18

2009年9月18日(金)14時開演
兵庫県立芸術文化センターにて
瀬戸内寂聴 現代語訳による白石加代子の「源氏物語

台本・構成・演出 : 鴨下信一
出演 : 白石加代子


瀬戸内寂聴のチャーミングで活気あふれる現代語訳を元に原文、解説を織り交ぜて構成されています。多くの登場人物、ドラマティックな名場面を白石加代子が語っていきます。乞うご期待!    (芸文サイトより)



<感想>
白石さんお一人の舞台だったのに、その世界にするすると引き込まれてしまい、あっという間に終わったように感じました!
扇を使った舞台演出というのも、シンプルながら白石さんの声色を含む一挙手一登足を集中させて、多くの場面の展開の役を雄弁にしていて、とても感銘しました。


ぜひともまた観たくなる舞台で、本当に素晴らしかったです




源氏物語について>
一緒に舞台鑑賞した方に言われました。
「のりこさんって、ドロドロした話が好きですよねぇ?」


えー
ハイ、まぁそうですが。(^_^)



観ましたこの源氏の物語の巻はまさしく!
源氏晩年の幼妻・女三の宮の思いがけない裏切りと、最愛の紫の上の臨終が、若かりし頃の行いの報い(六条御息所の情事含む)であるという…若菜の巻


えー
まぁそんなこんなで、白石さんの語りが生々しく迫って、やたらドロドロしていたかもしれません。
「一緒に観ない?」と誘ったのがワタクシですから…、好きかと思われても、当然?(苦笑)


源氏物語といえば、瀬戸内さん版と田辺聖子さんの本も読みましたが(ほかは記憶が遠い)、大和和紀さんの『あさきゆめみし』漫画が、やはりバイブルで、今もずっと愛蔵しています。


あまたの魅力的な女性たちの中でも、ワタクシの心をとらえて離さないのは、その六条御息所です。
(あと永遠のマドンナ藤壺中宮も好き。不器用でツンデレ過ぎた初めの正妻・葵の上も好きです☆)

生霊と化しても、また没後も、こうして成仏できずに源氏の不幸を図ってしまうことも、本当は本意ではなく、ただ愛したが故に、自らの意志もままならないほどの(罪)深い恋情に囚われて、身を焦がしていくヒロインに、どうにも哀れながらも惹かれてしまって好きなんですよねぇ……
六条御息所は、源氏の深い罪や業といったものを背負わされているだけだとも、思いますし。
女三の宮のことにしても、女三の宮父院であり源氏の異母兄である朱雀院の、愛やら業やら感じます。


そんな愛の業。ドロドロ。
…ドロドロ過ぎて、一緒に観たその友人は怖かったそうです☆(苦笑)



ところで他の方と話していると、当然なのか、紫の上が人気があるようで(^_^;)


紫の上は、確かに理想の女性として描かれてはいますよね。
しかし幼い頃さらわれて奪われて浮気な源氏に苦労させられて、他の女の娘を育てさせられ、あまたの女性たちと同居させられ、晩年になっての源氏の裏切り! 出家も許されず〜、
このように見れば、お気の毒…だと思わずにはいられないのですが…


けれどもだからこそ、賢く心映え美しく、源氏に一番愛されたっていうのが良いんでしょうか。
それと、そんな運命に流されるようでも一途に源氏を愛し、精いっぱい生きたヒロイン性が、多くの女性の心を掴むのかしら、とも思います。



うーん。
いずれの女人も、制約されたような平安貴族の世界の中で、精いっぱい生きた様子が描かれており、
本当に飽きのこない名作ですよね、源氏物語は。。。