のりこうのくうねるあそぶー

日本ピアノ選

sawanonn2009-03-26

八木良平JEUGIAピアノコンサートシリーズvol.3 「日本ピアノ音楽選」
2009年3月26日(木)18時〜
JEUGIA 梅田ハービスENT店にて。


【出演】
ピアノ:八木良平


【プログラム】
滝廉太郎メヌエット
平井康三郎:「荒城の月」の主題による変奏曲
武満徹:恋のかくれんぼ 島へ 燃える秋 翼
福島和夫:水煙
近藤浩平:「アトリエの古い画帳」から「教会の尖塔」「シエラネバダの雪」「湖のある風景」
平井康三郎:幻想曲「さくら さくら」


【感想】
24歳であまりにも早く…早世された滝廉太郎
1900年に、初めて、日本人で一番初めて!作られたピアノ独奏曲「メヌエット」の美しい旋律と、その3年後、肺結核が悪化して死期の近い最中に最後に書かれた「憾(うらみ)」の慟哭のような曲を、比べるように演奏された八木氏。
滝廉太郎の早すぎた才能や人生が、惜しまれます。
その滝の代表曲「荒城の月」をオマージュしたような変奏曲。
歌詞がなくても、本当に美しい旋律にうっとりと聴き惚れました。


日本が生んだ20世紀を代表する作曲家、武満徹
現代曲はもとより、映画音楽や歌曲でも佳作が有りすぎなのだけど、ピアニストの八木氏は、石川セリが武満を歌ったアルバムを紹介して、その中から数点演奏されました。
セリちゃんのアルバムを病床まで置いていたという武満氏。その彼を悼んで作られた石川セリボーカルのこのアルバムは、我が家でも愛聴している1枚で、嬉しかったです!(笑)

武満徹:MI・YO・TA

武満徹:MI・YO・TA

…が、如何せん歌曲なので、ピアノ伴奏だけでは……やはり歌って欲しかった、…です。


福島和夫の「水煙」という曲は、現代音楽らしい…響きを集められたような曲(に聞こえました)ですが。


「…わかりにくいとされている現代音楽の曲は時に、映像と結びつくことで理解が深まることがあります。…そうすると、現代においては映像に結びつかないベートーベンなどの音楽の方が理解しにくなるかもしれません」八木氏の解説


に、なるほど!と膝を打ったりしました。(笑)
そうして「水煙」の写真をパンフに載せられていて、なんとなくわかったような…気にさせてくれました。
ちなみに「水煙」とは、塔の九輪の上部にある火焔形の装飾、だそうです。
→パンフの薬師寺
→塔の九輪の上部
その模様がコレ→

だそうで、なるほど〜ですよねぇ〜(笑)!


近藤浩平の「アトリエの古い画帳」は他にも曲があるのだけども、なぜにこの3曲なのか?
…なんとなく題名によるイメージが「教会の尖塔」「シエラネバダの雪」「湖のある風景」浮かびやすい点と、他のプログラムとの調和が取れやすい…ということなのかな、と感じました。


八木さんは
音の響きを聴かせようと、丁寧に演奏されていた…(所々タッチは怪しくも)ように思いますが、作曲家によれば
いや、曲の解説をしたい演奏家」と取ったようです。

ともかくも、ワタクシの友人たちには「また聴きたくなる」と好評を得たようで、良かったです。お付き合いありがとう>私信。


さくらさくら」はまぁ季節的にピッタリということで☆(笑)

他に、次月にするコンサートから、ショパンマズルカなどをアンコール演奏して下さいました。