のりこうのくうねるあそぶー

sawanonn2009-02-21

2009年2月21日(土)12時開演
シアター1010にて


作:ロベール・トマ
台本・演出:板垣恭一
出演:加藤和樹白石美帆大口兼悟、川岡大二郎、水町レイコ萩野崇、敦士


【ストーリー】
ある山荘にて、主人公・ダニエルは、突然の失踪した妻・エリザベートの捜索をカンタン警部に依頼するも、進展はなく憔悴の日々を送っていた。
そこへマクシマン神父に付き添われてエリザベートが戻って来たのだが、ダニエルはそれが「妻ではない」と主張。エリザベートはそれを夫の神経の発作とし、双方の意見が噛み合わず、事態は複雑難航化していく。
真実を知る証人として絵描き(メルルーシュ)、看護婦(ベルトン)が登場するも、ついに殺人事件にまで発展する。
果たして、エリザベートは本物なのか? 嘘をついているのは誰なのか?
真相は最後の最後まで証されない。


【解説】…プログラムより
フランスの劇作家ロベール・トマが書いたサスペンス劇の傑作で1960年初演。
ロベール・トマは、‘フランスのヒッチコック’と言われ、思わず引き込まれるスリリングな展開と意表をつくどんでん返しを得意とする。『罠』の他、主な作品に『8人の女』『殺人同盟』などがある。
『罠』は、日本でもこれまでに度々上演され喝采を浴びてきた。6人の男女による騙し合いと駆け引きが続き、やがて驚愕の結末が訪れる。本音と嘘、安心と恐怖、信頼と疑惑…6人6様の思いが交錯し、次第に本性が暴かれ、徐々に真実に近づいていく。


【感想】
ワタクシの大好きな映画『8人の女たち』…これと同じくする作者で、山荘でのワンシーンドラマという点も似ており、さすがにかなりよくできた作品でした。
今回の上演は若い方たちのチームによる勝負(挑戦?)…ということで、フレッシュ感と熱い真摯な情熱…などは感じました。特に後半の証人が現れてからのテンポは良く、舞台に引き込まれます。
俳優たちもそれぞれ現時点での力を発揮させ、それぞれに魅力ある役作りに励んでいたかと思います。
ただ原作の人間の複雑な心理を納得させるには、警部役などもう少し年代の入った俳優さんの方が良かったのではないか、舞台のセット(特にソファの素材など)ももう少し凝っていても良かったのではないかと、目に付く点が少々ありました…。
ですがまぁ相対的に、フレッシュなキャストさんたちの魅力を引き出した舞台、ということなんでしょう@