のりこうのくうねるあそぶー

ニューオペラシアター神戸 第28回オペラ公演『ウィンザーの陽気な女房たち』

sawanonn2009-02-07

2009年2月7日(土)18:00開演
アルカイックホールにて


原作:シェークスピア
作曲:C.O.ニコライ
台本・演出:中村暁
指揮:斉田好男
管弦楽:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団



【あらすじ他】
YAHOO!百科事典より。
ウィンザーの陽気な女房たち The Merry Wives of Windsor
イギリスの劇作家シェークスピアの喜劇。時のイギリス女王エリザベス1世の「恋に悩むフォルスタッフが見たい」との要望にこたえ、わずか2週間で書き上げたといわれる。1597年4月23日、ウィンザー宮殿で初演されたと推定される。フォルスタッフは、同じ作者の『ヘンリー4世』(1597)で活躍する愉快な老兵であるが、この劇では、陽気な2人の人妻フォード夫人とページ夫人に同文の恋文を送ったことから、女たちからさんざんに嘲弄(ちょうろう)されたあげく、籠(かご)に入れられて汚い川に投げ込まれたり、森の妖精(ようせい)に扮(ふん)した人々からいじめられたりする。軽喜劇であるが、シェークスピアとしては唯一の現代市民劇となっている。日本では1912年(明治45)帝国劇場初演。


【話の感想】
シェークスピアにしては、これどう?って、軽い内容の芝居でしたが☆ Wikipediaでも批評の中でシェイクスピアの作品の中でも出来が良くない作品の1つで…」と書かれてあってちょっと安心。(苦笑)
が、まあ…エリザベス女王が道化役のフォルスタッフを楽しんだという話、そしてまた道化役が舞台を回す役所である設定、そしてフランス人が袖にされる脇の道化役として使われている点などなどが、まぁシェークスピア、英国ものらしい、かとも思います。…たぶん。


オペラとしては、ドイツオペラの傑作らしく数多く上演を重ねてきた作品そうですが……。ここにも、道化役のフォルスタッフ=英国人、娘に袖にされるカーユス=フランス人。そしてもしかして…もう1人娘に袖にされる役の金持ち男シュペアリッヒをユダヤ人と想像するならば、それらをコケにするこの喜劇がなんとなくドイツでもてはやされた感も分からなくもない☆ 気がします。(←勝手な想像ですm(_ _)m)
…特にこのフランス人は、よくオペレッタなどで恋の道化役にされるイタリア男のように滑稽です。もしも……万一フランスで上演されるならこのフランス人の医師役は、きっともっとカッコよい色男ぶりで母親役をたぶらかし、小娘の青臭い恋愛感をあざ笑うような演出になるに違いない♪…なーんて思ったりもしました。(笑)


ともあれ全体的な主旨は、ヤキモチ焼きな夫と、好色な男をやりこめる才色兼備な婦人たちを称える内容(+娘の純愛&恋のさや当て)で、このオペラを観るご婦人たちは、おそらく少なからず胸がのすくのではないでしょうか。


…それにしてもあんなに大勢な人間を引き連れて、妻の逢い引きの現場を押さえようという夫の気が知れません。見つかったら見つかったで「寝取られ男」のそしりを受けるでしょうに、結局見つからずにこれまた狭量さを暴露して、そのあざけりを受けることに。
…寝取られた夫は「wear horns(嫉妬の角を生やす)」と呼ばれるそうで、最終幕の森のシーン・フォルスタッフに込められた皮肉が英国的ユーモアなのかもしれません。
そしてまた何度嘲弄され袖にされても懲りずにいつも前向きに、ロマンを求めるフォルスタッフも、いっそすがすがしく愛すべき…男性と、いえるんでしょうねぇ…。(^_^;)


【曲感想】
さて、演奏はとても素晴らしかったです!
隅々まで抑制が利いていて舞台をよく引き立てていて、美しい音色を奏でていました。……ホルンが一度パスッたのはご愛敬♪(笑)


全体的な印象としては…曲はさほど感動的に惹きつけるでもなく、よく作られているけど凡庸。…や、いろんな作曲家や当時の流行などを取り入れているようで、秀作なのかもしれません。(^_^;) 
演出的にも各人の聴かせどころがそれぞれ上手く散りばめられていてホントに上手な作りなんだけども…!! …なんでしょう、感動的盛り上がりはないですねぇ〜。なので傑作なのかはワタクシには分かりません。
ですが上演しやすい演目として、秀作であることには間違いなさそうです。
とりあえず、単純な内容ながらさほど飽きずに観ていられましたので。まぁまぁ…楽しかったです♪