のりこうのくうねるあそぶー

王の男

1月24日(水)
神戸シネカノンにて


監 督 :イ・ジュンイク
脚 本 :チェ・ソクファン
原 作 :キム・テウン(演劇『爾』)
キャスト
 チャンセン:カム・ウソン
 コンギル:イ・ジュンギ
 ヨンサングン:チェン・ジニョン
 チェン・ノスク:カン・ソンヨン


某所で話題持ちきりな映画でしたが(笑)別に特にいかがわしくもいやらしくもなく〜普通の韓流歴史物…だったかと思います。その点では期待はずれながらも(苦笑)、思ったよりはちゃんとした話でした。実在する〜“稀代の暴君”と言われたヨンサングンの時代に生きた人たちをよく描いていたかと思います。


あらすじ
16世紀初頭。田舎の旅芸人一座の花形チャンセン女形コンギルは、幼馴染みで固い友情に結ばれ育つ。が、コンギルは有力者に目をつけられ、座長に一夜の身を売れれそうになるところ、チャンセンと手に手を取って逃避行(笑)。
のし上がるために、都へ。命がけの大勝負に出て、王に認められるまでになり、宮廷に召し抱えられ、贅沢三昧な暮らしができるかと思いきや〜さまざまな陰謀に巻き込まれていき……。
そうして華やかな宮廷陰謀劇の間に外の世界では、現王政に反対の勢力がいつの間にか力をつけてクーデターを企てて…!
…さあ、どうなるのか? と言ったところです。


感想
何と言っても俳優たちの魅力なく語ることはできない映画でしょう! 傾国の美女なのは、本来〜王の愛妾であるノスクなのだけども〜、王の気を知らず知らずに壊していったのは女形のコンギルなのですから!それに納得できる美貌がなくてはなりませんとも!!
ええ、充分な美しさと憂いと魔性の無垢さを見せてくれました!


対する愛妾ノスクの、女の意地をかけた(?)底意地の悪さや悪態やあの手この手で王の気を引き、コンギルにはイジワルぶりを発揮する様がまた美しくて、可愛くさえ見えましたほどです☆


も、両親へのコンプレックスを抱えた苦悩する人間の男ぶりを、「う〜ん、ほんまにアホやなぁ」と思わず思ってしまうほど〜、同行の方にも「こうして“革命”って起こるのね」と言わしめるほど〜、なんていうかわかりやすくもしっかりと演じられてました。


しかし一番の問題は、この一芸人であるチャンセンかと、私は思います。
すべては彼の、有名になりたい欲や、コンギルへの所有欲から来ていると思わなくないんですが…(苦笑)、かといってコンギルには何も与えず、身を挺しての献身ぶりで彼を縛っているとしか…。(汗)
しかも、生き汚く〜生きるところなんか、一芸人というか、底辺を生きる庶民こそ一番強いっていう〜見本のような生き様がまた!なんというか憎憎しくて、上手かったなぁ…と今となっては思いますー。(笑)
これが美男で美しい生き様な役柄だったりしたら、それこそ楽しくも嘘くさい芝居そのものですものねー。(苦笑)
他宮廷貴族たちの思惑なんかも面白かったです。


あと特記するなら、美術が美しかったです。衣装ともいうか、ええちゃんとお金をかけた立派な映画でした!!
個人的には、音楽が弱かったかなーと思いました。