関西フィルハーモニー 第186回定期演奏会
2006年7月14日(金)19:00開演
ザ・シンフォニーホール
【出演】
ヴィオリン: 大谷玲子
独唱 : 雑賀 美可(妻ユディット/ソプラノ)
藤村 匡人(青ひげ公/バリトン)
指揮 : 飯盛 泰次郎
管弦楽: 関西フィルハーモニー管弦楽団
【プログラム】
A.ドヴォルザーク :ヴァイオリン協奏曲 イ短調 OP53
B.バルトーク : 歌劇「青ひげ公の城」作品11,Sz.48
*演奏会形式 原語上演・字幕付
プロローグ 広間 拷問部屋(第1扉) 武器庫(第2扉) 宝物庫(第3扉) 花園(第4扉) 領地(第5扉) 白い湖(第6扉) むかしの女たち(第7扉) エピローグ
招待券で行ってきました。
ドヴォルザーク
は、好きな作曲家ですが〜
「薄味な演奏だったね?」
「曲自体が薄味だから」
とhusが申しておりました。
……だよね…? 第3楽章はまあ馴染みある曲だったのですが。プログラムに書かれてあるような『血湧き肉躍るクライマックスへ』…てほどではなかった、です。
青ひげ公
「『拷問部屋』? 『武器庫』? …えっ、『むかしの女』って…笑うなぁ」
青ひげ公について、全く知識なかったんですが、
「うん、おどろおどろしい曲だよ」
husが解説してくれました。
「ふう〜ん。なんか、東欧のドラキュラ伝説とか、旧共産圏国的(漫画『モンスター』『Mr.キートン』などのような)な、怖ろしさが、ありそうね…?」
ですが、原型は「マ・メール・ロア(マザーグース)」とある通り、童話なんですってね!
童話って、残酷ですものね。
物語
押しかけ女房的ユディットが、「開けてはならない」という青ひげ公の忠告を押し切って、城の閉められていた扉を次々に開けていき〜、最後は……。
という話。
演奏が終わって会場外へ出て行く時に聞いた親子の会話
少年「おれ、ハッピーエンドがいいよ、ハッピーエンドが…」
母?「青ひげは、怖ろしかったね〜。ホンマ悪い奴やで!」
少年「いや、怖ろしくはないけど、やっぱりハッピーエンドがいいなぁ…」
「ハッピーエンド」って、「悪い奴」って…orz。
ハリウッド映画の見過ぎかー!? そういうもんじゃないんだけど、まあ、そーいうたら、
「陰のある男の方が、魅力的なのだよ…坊や」
て笑いたく、いえ、笑っちゃいましたね!
それに人の心の中は、誰にでも人には見せられない残酷さがあるはずで、そういう葛藤を抱えて複雑に構成されているから、人っておもしろいんじゃ、ないでしょうか。
まぁ、今時の日本の素直な男の子らしいというか、今風やさ男〜て、そんなモンなのでしょう…ね。
(あれは忠告を守らなかった女の方も、悪い気が…幸せになりたいならば!)
プログラムには、
”作曲家の柴田南雄氏曰く「城は男の心であり、その中に複雑怪奇な小部屋をたくさんもっている」うんぬん…”
いろいろ書かれていましたが〜まあそんな、上記のような男女間の恋愛関係や人間の心理状態とか、と捉えると、わかりやすいけれど……。
……東欧的妖しさに旧共産圏政権の非道さ、みたいな恐怖が込められているような(よくわからないけど(汗)? 感じがします。
バルトークの音楽は
そんな凄みをたっぷり〜と含んだ壮絶な不気味〜な曲でした。家でCDとかではちょっと聴きたくないけれど、生で聴くにはとても迫力・説得力のあって良かったです!
基本的にバルトークって、あまり好きな方じゃないんですけど、この曲はそういう意味ではとてもわかりやすかったです。
「1910年代に完成されて、他の作曲家らが、(その奏法を?)真似ていったんだよ〜」
らしいです。(もっとも、当時は共産政権はなく〜大戦前の、時代の移行期ではあったようですが…)少なくても先日聴いたシェーンベルクの曲よりは、おもしろく聴き入りました。
ハンガリーのオケなんかで聴いてみたいものです〜、きっともっと涼しく?背筋が凍るような心地になるのじゃないかしら?