のりこうのくうねるあそぶー

いずみシンフォニエッタ大阪 第13回 定期演奏会

新・音楽の未来への旅シリーズ


2006年6月3日(土)16:00
いずみホール


【出演】
指揮 : 本名徹次
ハープ: 篠崎史子
いずみシンフォニエッタ大阪

【曲目】
伊福部 昭:室内オーケストラのための「土俗的三連画」(1937)より
        第1曲“同郷の女達(ジンクのテンポで)”
J.ハイドン交響曲第44番ホ短調「悲しみ」 Hob.I-44
西村 朗 :ハープ協奏曲「風媒」(2004)

川島 素晴:室内管弦楽のためのエチュード
       「Pre-Bridge/Cool!(KTR Hocket)/Spring」(2001-2004)
M.ムゾルグスキー/ジュリアン・ユー編曲 : 組曲展覧会の絵


【感想】
伊福部昭
この2月にお亡くなりになった「ゴジラ」の作曲家、伊福部昭氏の追悼演奏とのこと。
この作品、23才にしてこの頃から伊福部氏のスタイルが確立されていた…感じがします。



オーケストラ
しかし何というか、出だしから演奏のすばらしさが伝わります。少数編成のこのオケ、一人一人の研ぎ澄まされた音色が、冴え渡ってました。ソリストや各楽団の主席演奏者クラスの人たちを、選り集めた単発的というか周期的?「いずみシンフォニエッタ」オケ。本当に素晴らしい若手・中堅所のの日本人演奏家の方達が増えたなぁと思います、この十年くらいで。(外国の方もいますが)
(漫画「のだめカンタビーレ」のR☆Sオーケストラが、マジでできます!)



ハイドンの曲は
そんな素晴らしい弾き手達による演奏で、もう美しく…て気持ちよ〜く…何度か昇天(←睡魔による)しかけました…(すみません!)ほどに、綺麗な世界を描いていました。



西村氏の曲は
……いつも「ぎらぎら」(「きらきら」ではない所が味噌☆)してる感じで…やはりこれもそうでした。良くも悪くもぎらぎら。生命力に溢れているというか、大阪商人的たくましさというかど派手さというか、その煌びやかさには目を見張るのですが、長く聴いてると飽きてきます…。
hus曰く「ヴィヴァルディ状態」だそうで、よく聴くとどの曲も素晴らしくいい音がしているのだけど、どれも一緒な感じ…だとか。



表題音楽(プレトーク
ところで、演奏の前にレクチャートークがありました。
音楽には、絶対音楽交響曲1番だとか)と、標題音楽(題名のついた曲)があると。そして今日は後者の曲ばかり、集められていると…。
音楽は目に見えないモノですから、どう捉えるかは確かに十人十色。題名でかなり曲のイメージが決まります。
小説などでも題名で、売れ線(Ex.「世界の中心で愛を…」)が全く違います!
その方の、センスが問われる所…!ではないでしょうか? 音楽も然り、題名はとても大事です。


川島氏の今回
…決めたお題から着想した音楽を作られた川島氏。曰く、
演奏された都市名から、前橋>前と橋>プレリュード+ブリッジ=「Pre-Bridge」は、
様々な「前奏曲」「序曲」のパロディの曲でした。
…しかし…パロディ。されど…パロディ。元がわからなければ…チンプンカンプン。聴く側のレベルが試されます…!私がわかったのは、ドヴォルザークチャイコフスキー位…orz。きっとわかる人には面白いんだろうなぁ…と寂しく思いながら、が、新鮮に(笑)聴きました。
hus曰く、メシアンだとかドビュッシーだとかが入っていたとのこと。「数秒の和音で曲あてクイズ」のような曲!


「Cool!」は、札幌>寒い>クール>+!>格好いい「Swing」な曲。そしてキタラホール上演ということで、キタラ>「キッ、タァ〜〜、rrrラー」と、奏される曲なのです、マジっ!! 「クール!なキ・タ・ラ」でした!(そのまんま


そ・し・て、いずみホールから、いずみ>「Spring」=スプリング>バネ・・・>「ビョ〜ン」という曲です。
様々な「ビョ〜〜ン」が楽しめます。……と、ずっとまじめに聴いてました。……が最後、オチがあるんです!
(これ、初聴きする人のために、書かない方がいいかしら? 聴いてもわからないけど、見なきゃ…ね!)
…見事それが私のツボにはまり、私一人身をよじって大笑い!!


音楽的には上品で、今時の若者な非欲(無欲じゃなく)さな感じ(決してギラギラじゃなく☆)で、恥ずかしげなくストレート! しかしセンスは捻りがとてもきいて、光ってます!!
才」とパンフに書かれてましたが「才」位じゃないかしら? むしろ「才」…?




追記:川島氏の音楽はハイブローで、他にも多々仕掛けや意味があるのだけど、書いてられません! 当方、ただの聞きかじり聴衆ですっ……。



ゾルグスキー「展覧会の絵
といえば、これはラヴェルの編曲が超有名ですが、今回は中国人作曲家ジュリアン・ユーによる、最も新しい編曲版奇抜で秀逸なアレンジを楽しめる…所だが。楽しんだけれど、なんだか…ちょっと…私にはなんだろ、ディズニー映画の音楽のように(安易?)聞こえました…(良くも悪くも)。



プレトークから、編成の異なる楽曲の数々で合間の時間もかかり、長いコンサートでした。しかもその後、サイン会まで付いていて…、お疲れ様です!
来週は、大笑いさせてくれた川島氏企画のライブコンサートがあり、楽しみです。
明日は、大植氏のワグナーだ♪   (…きっと寝る!…orz)