のりこうのくうねるあそぶー

ぐるりのこと。

2008年7月23日(水)
シネリーブル梅田にて

監督・脚本・原作: 橋口亮輔
キャスト:リリー・フランキー木村多江倍賞美津子寺島進安藤玉恵柄本明




感想
「二十歳の微熱」も「渚のシンドバット」も見逃して惜しいことをしたなぁ〜と思っていましたが、「ハッシュ!」は観れて良かったvと思っていた橋口監督の今回の映画「ぐるりのこと」を、本日ようやく観ることができました!
ああ見逃さないで良かった!!(笑)


前作まで、マイノリティな立場というゲイの登場人物たちを描かれていた監督さんが、中年の夫婦を描く…のはどうなのかな〜と少々違和感があったんですが。
まあそんな人間関係もさることながら。
主人公の夫の方が、‘法廷画家’という…撮影禁止の法定内で、被告人の様子をスケッチするという仕事で、その彼の絵…というか目を通して、93年〜2001年間の主立った事件が流れていく感が、とても良かったです。


「目の前で次々と起こることに対して、何かを描こうとしても、この出来事に言及した瞬間には別の出来事が起こるということの繰り返しで」
ていう感覚は、ワタクシたちもものすごくリアルに感じている現状で。
それをいちいち批判するではなくかといって傍観してるだけではなく、何かしら…出演者に限らず映画を観ている観客も含め感じることがあると思うのですが、
それに対して、感じさせるだけで、どうしようと作為しないんですよね、橋口監督は。
その作為のなさが、作品としてもとても良いんですよね〜。
映画って2-3時間で話がまとめられてる分どうしても作為的なとこが鼻につくことが多いんですけど、そういえば「ハッシュ!」でも感じたように、監督さんの社会への視線がなんのてらいもなく淡々とすべてを肯定ていうか受け入れていく感じが、共感できてとても好きなのでした。