のりこうのくうねるあそぶー

大阪シンフォニカー交響楽団 第127回定期演奏会

sawanonn2008-07-17


2008年7月17日(木)19:00開演
ザ・シンフォニーホールにて


【プログラム】

ヴォーン=ウィリアムズ :「グリーンスリーヴズ」による幻想曲
ショスタコーヴィチ :チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調
ヴォーン=ウィリアムズ :交響曲 第2番「ロンドン交響曲


【出演】

指 揮:大友 直人
独 奏:横坂源(チェロ)
管弦楽大阪フィルハーモニー交響楽団



【感想】
ショスタコって暗いんだよ〜
1部終わってコーヒー飲んでいたら、後ろのテーブルのおじさま声が聞こえてきました。
えー、暗い?
違和感に首をひねりつつ、考えてしまいました。
‘暗い’…っていうか‘重い’んだと思います、ショスタコーヴィチは。
十分に派手さや華々しさはあるかと思いますが〜、軽やかさとかキラキラしさには乏しく。
輝かしくもその光は、金とかプラチナではなくて、鋼鉄―はがね色の光沢なんではないでしょうか?


……ショスタコのイメージは、そんな風にどうしたって‘ソ連’から切り離せなくて、同じロシアの作曲家でも、お貴族様なプロコフィエフたちなどとは一線を画して、広大な見栄張りの大国主ソ連の力任せ感やにおいを感じずにはいられません。
そんなショスタコが、プロコの『チェロとオーケストラのための協奏交響曲』に触発されて書いたという(プログラムより)この『チェロ協奏曲第1番』。


……とても渋くて、深淵な曲だったかと思います。
若い横板源クンが実に見事に、渋くカッコ良く! チェロを奏でてくれました。今後の活躍が楽しみです!
オケのシンフォニカも、まとまりある演奏だったかと思います。



ヴォーン・ウイリアムは、やはりとても英国的。
イギリスもまぁ…大英帝国という大国主義的な……重鎮さというか、颯爽とはしていても軽やかさがなく。輝きもキラキラ…よりは渋く濁らせたような光かと思います。
そして滔々として、英国的牧草地なのか大海原なのか、ずうっと続いていく…感じがします。
世界大戦のかかる時代に生きたというヴォーン・ウイリアムズは、また同じく英国の作曲家エルガーとはまた違う時代性を反映して、英国の翳り感や20世紀初頭の前衛的な複雑さのある音…らしいんですが(hus談)、
やっぱり英国的やなぁ…」と感じずにはいられません。
ソロのヴィオラ部分が、特に見事に英国的なんですよねー!(笑)
ヴァイオリンでもチェロでもなく、ヴィオラの音って英国的ですよね〜。


シンフォニカのちょっと散漫になりそうな音も(格段に上手にはなりましたが)、大友氏の手慣れた風な指揮で、要所要所まとめられて、良い演奏になっていった感じがします。