のりこうのくうねるあそぶー

トゥーヤの結婚

2008年4月24日(木)
シネマート心斎橋にて


監督:ワン・チュアンアン
脚本:ルー・ウェイ(『さらば、わが愛/覇王別姫』『活きる』)   
撮影:ルッツ・ライテマイヤー
主演:ユー・ナン 



わ、脚本は大好きな映画の方でしたか。(笑)
さすがに2007年ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いただけのことはあるこの『トゥーヤの結婚』も素晴らしい出来栄えで、本当に感動しました。素晴らしかったです。


簡単あらすじ
内モンゴルで暮らす女性、トゥヤーは、事故で下半身が麻痺した夫と、幼い子供を抱え、過酷な労働をこなしながら暮らしていた。しかし、日々の生活は苦しく、ついに彼女は離婚し、裕福な男性との再婚を決めたが……


感想
多くの人に求められる若く美しく賢く強く…そして不幸な女性、トゥーヤ。
自らの境遇を嘆くことなく受け入れ、淡々と働き続ける我慢強いトゥーヤ。
ラクダや馬に乗って羊を追う。ラクダを連れて1日二往復30kmも歩いて水を汲みに行く。その間にも家事も子育ても、一人でこなさなければならない。
対価を求めるためでなく、働くことをやめたら正に生きていけない環境の中で、それは当然と行われる行為であっても、街中で暮らす利便性を思えば理不尽な生活かと思うのに、その生活を、働けない夫を含む家族を守るために、トゥーヤはずっと働き続けるのだ。
そして多くの求婚者を退け最後に選んだ男とも、家族を守る為であり、安穏な生活は望めそうにはない。
それでも涙を拭い前を向いて強く生き抜くだろう彼女に、ワタクシ達は感動するしかない。


そうしてゴツゴツとした、砂漠化が進むままの内モンゴルの自然――その素のままの大地、厳しい自然の風土に生きる人々とラクダや馬や動物たちの姿に、激しく胸を打たれ眩しく、見上げてしまうのでした。