のりこうのくうねるあそぶー

サラエボの花

[2007ボスニア・ヘルツェゴヴィナ]
女性監督:ヤスミラ・ジュバニッチ


ボスニア紛争から10余年、この地に生きる女性監督が描く再生と希望の物語。
1992年、旧ユーゴスラヴィアが解体してゆくなかで勃発したボスニア内戦は、95年に一応の決着をみた。しかし、それまでに、死者が20万人、難民・避難民が200万人も発生したと言われ、第二次世界大戦後のヨーロッパにおける最悪の紛争になった。このバルカン半島における民族と宗教が複雑にからみあった未曾有の紛争をテーマに、さまざまな映画が過去に作られてきたが、ここにまた新たな秀作が加わった。」

という〜ワタクシにとって忘れられない映画「ノーマンズランド」の舞台ともなった紛争がテーマの作品ということもあって、どうしても見たかったのです。


しかし、『サラエボの花』は戦争の犠牲となった女性の現在、そこでは暴力シーンも、戦争の生々しさも描くことなく、平和を取り戻そうと懸命に生きる人々の日常を、静かに捉えていく、監督言葉通り「これは愛についての映画である」という通りなので、少し、わかっていても肩すかし感は、ありました。
とはいえ、深く重い話ではあり、犠牲となった人々の復興と幸せを祈らずにはいられません。また人間のたくましさとしたたかさと哀しさと、それらいっそうの愛おしさを募らせる映画ではありました。