大阪フィルハーモニー交響楽団第413回定期演奏会
2007年12月6日(木)19:00開演
ザ・シンフォニーホールにて
【出演】
指 揮 : 大植英次
ヴァイオリン: ルノー・カプソン
管弦楽 : 大阪フィルハーモニー交響楽団
【曲目】
ブルッフ : ヴァイオリン協奏曲 第1番ト長調 作品26
ラフマニノフ : 交響曲 第2番 ホ短調 作品27
満を持して大植氏登場! …胸が熱くなりました。
大植氏の演奏を聴くのは1年半ぶりとなりましたこの公演、体調を崩されてしばらく定期演奏も休まれてたようで、今回もご調子の方心配していたんですが――。
ところで、今回もある協奏曲。
「(協奏曲を奏でる)ソリスト達って、“流しのギタリスト”みたいだね」
楽器一本持って各地へ演奏して回る〜(イマドキそんな職業もなく、実際見たこともないんですが)所だけが、似てるんですが…(苦笑)。
「指揮者も、“流しの板さん”だよ」
包丁1本の代わりにタクト1本握って各地で(オケを)料理して回る…
「長くいても数年の契約だしね…」
……そうだよね。
ま、そんな、流し職人達が、職人芸を披露して、応え(料理され)るオケがあって、それを楽しむ観客がいるのが、定期演奏会かな、と思います。(?)
演奏&曲目
ブルッフ:
R・カプソン氏のヴァイオリンの音色が非常に繊細で美音で、女王様ヴァイオリニストを見慣れた中では、遙かに優しげな青年で、音で……。
おそらくそれを活かしたのであろう〜オケの演奏も大人しめで、ゆっくりで小さめで……静かに味わうような。
ワタクシ的好みを言えば、もっと情熱的に熱く演奏を聴きたかったな〜と、感じました。
ブルッフはプログラムによると、ワーグナーに理解を示さなかったロマン派の代表的作曲家らしく。ブラームスとほぼ同時期に華々しく活躍したらしいですが。
「(ブラームスとの評価差は)後になればわかるでしょう」と言ったらしいです。(←hus談)
当時、今ほど芳しくなかった評価のブラームスの才能を認めての発言らしいですが、改めて聴き比べるとやはりブラームスほどの…まぁ「複雑さ」がなく、単純に甘美で明朗な感じがするので、確かにワーグナー的でなく、演奏も「熱情的に盛り上げなくてもいいのかなぁ〜、今日のように。」という気はしました。
ラフマニノフ:
…それにしても、覚えている大植氏の振りに比べて淡々としておるので、計算して押さえているのか、体調がよろしくないのか分かりかねます。が、さすがに後半は、大植氏の独壇場というか、オケを操りどんどん乗せて引っ張っていく力強さに、久しぶりに酔いしれました(*^_^*)。
ちょうどオケの真上の席だったので、指揮者とは対面してまして、彼の指先、表情一つ一つ見え、「うん、今の良かったよ」というような満足げな笑顔の一つ一つにに、一緒に笑顔になっていたワタクシです(>_<)!
最後の盛り上がりは、闘牛士の如く(←hus談)、ワタクシ的にはロシア平原をひた走る馬車(馬50頭位(←団員数))の馭者のようなイメージ(>_<)!
で、オケや聴衆までも引っ張って乗せていく大植節を堪能させていただきました!
本当に大好きな指揮者です。
次回の演奏も聴きたいと思い、2月の大フィル定期のチケを求めたら、……完売でした(T_T)。
ところで。
ラフマニノフを聴くといつも映画音楽的な感じがするのですが、
「それは一時期、ハリウッドで活躍した映画音楽の作曲家に、亡命ロシア人が多かったから、そういうスタイルになった」(hus談)から、らしいです。
こう、とうとう〜と(音楽&場面が)流れていく感じが、よくあるような映画シーンを彷彿させるんです。
……ロシアとアメリカで違えども、平原を渡る感じが……なんとなく(@_@)。