のりこうのくうねるあそぶー

カポーティ

11月1日 ガーデンシネマにて。
監督 :ベネット・ミラー
脚本 :ダン・ファターマン


とにかく重い〜〜映画で。
作家のエゴ・欲望を見せつけられたと、評判通り〜傲慢で自我欲丸出しなイヤな奴でしたね〜「カポーティ」氏…!! (爆)



映画は、50−60年代アメリカ。人気作家カポーティが、ある殺人事件に目をつけ、取材に着手する。壮大なノンフィクション・ノベルを書くという野望を抱き、殺人犯と接触
その交流を元に、代表作『冷血』を書き上げるまでを描いています。


交流を通して犯人とは、完璧な孤独を互いに共感し理解し、不思議な信頼と友情関係が生じるのだけど、それを守るために巧みに嘘をつき続け、一方で犯人の死刑実施をはやく望むようになる、カポーティ――。


それは、小説を書き上げるため。犯人が死ななければ、小説は完結しないからだ!!
完結すれば、最高傑作として賞賛され、自分への高い評価が約束されているのは間違いがなかった。カポーティは、それこそを、強く望んでいたのだった。
だが、判決は意外に長引いて、苦悩は募っていく…。
 


パンフレットによると、 
この『冷血』を書き上げた後、小説は書けなかったそうです(未完作品1作だけ)。
それを読んで、すごーく嫌なヤツだと思ったし描かれていたカポーティの、真摯な生涯が胸に染みました。努力して成功して、望んだものを手にして、…自滅してしまう…。
過ぎた欲望は、自己破滅に繋がるというか。――強く望むからこそ、神懸かり的作品が生み出されることがあるのでしょう。何かしらの犠牲と引き替えに。
 

もしくは、「自分の性格が自分の運命だ」というヘラクレイトスの言葉通りに、カポーティ自身の賞賛への欲望が、自滅の運命を呼び起こしたのでしょうね。
監督は、それを述べていました。


そして映画もそれを、素晴らしい脚本や美術や俳優たちにより、注意深く精密に重厚に表現され、発揮されていました。
特にアカデミー主演男優賞受賞したフィリップ・シーモアホフマン氏の演技に、ただもう感服です。さまざまな受賞に納得します。
映像も静止画面が多くて絵画風で、独特の雰囲気でした…!


カポーティの作品は読んでないけれど……機会があれば…(汗)!でもきっと、好きになれそうにないな…(逃ー)!